現代の子どもたちから「サンマ」が無くなっている、という話を私が初めて聞いたのは大学の授業内でした。
当時は秋だったこともあり、その話を聞いて「サンマの塩焼き食べたいなぁ。」とかのんきなことを考えていた私ですが、(実際にそのあと友達と食べに行きました)今その問題を目の当たりにし、愕然としています。
サンマといっても魚ではなく、【時間】【空間】【仲間】の3つの「間」で「3間」。
この3間が子どもたちから無くなっているというのです。
日々はらっぱで過ごし、子どもたちと話していると本当に3間が無いことを感じます。
・塾や習い事をしていて、全然はらっぱに来ることができないと話す子(遊ぶ【時間】の喪失)
・ボール遊びを思いっきりできる場がないと嘆く子(遊ぶ【空間】の喪失)
・時間、空間がなければ一緒に遊ぶ友達もできない(遊ぶ【仲間】の喪失)
このほかにも子どもたちの3間の喪失を感じることは多々あります。
今回は、その中でも「空間」が特に大切だなと感じたエピソードがあるので紹介します。
最近、はらっぱに来る一部の男子の間で野球が流行っています。
最初は軽くキャッチボールをするぐらいでしたが、徐々に本格的になっていき、今では毎日のようにバットとグローブを持参して、投げたり打ったりして遊んでいます。16時閉園で1時間も遊ぶ時間が無いにも関わらず、です。
しかし、はらっぱには、他の遊具や遊びをしている子も多くいるため、なかなか思いっきりボールを打つことができません。
また、道路に面している場所でもあるので、外にボールが出てしまう危険もあります。
そのような中でも、少しでも楽しくなるように変化球を練習してみたり、あるいは雰囲気を盛り上げるためにマイクと小さなスピーカーを用いてウグイス嬢の真似をしてみたりして工夫を凝らして遊んでいます。
近くを小さい子や人が通るときには、みんなで声を掛け合って「タイム」を宣告し一時休止したり、外にボールが出ないように「場外に打ったらアウト」という特別ルールを設けたりしていて、安全面、他の人への配慮も忘れていません。
そのようにして遊んでいると、自然と人が集まるもので、地元の野球チームに所属している子や野球をやったことないという子も参加し始め、多いときでは狭いスペースの中9人ぐらいで一緒に遊んでいます。
「空間」があれば、「時間」を何とか作って遊び、そこに「仲間」も集う。
場から繋がっていった、素晴らしい光景を目の当たりにできたなと思っています。
野球をしているとき、ある子がこうつぶやいていました。
「もっと広い場所で、のびのび7対7ぐらいで野球の試合ができたらいいな」
子どもたちは3間を求めている、そう強く感じた一言でした。
(プレイワーカー りゅう)