卒業と成長

(改行の影響でスマホ版サイトだと読みにくいかと思います。よろしければpc版でご覧ください。とある仕掛けが隠れています。)

 

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」ということわざがあるように、2022年になってからあっという間に3月になってしまいました。今

年の冬も寒いなぁと思っていたのも束の間、最近では麗らかな春の陽気を感じられるようになってきています。心地よく、ゆったりとした時

間が流れる今日この頃ですが、3月は別れの季節でもあります。

 

 あたたかい日差しがはらっぱを照らしていた36日。プレイワーカーとして活動していた『たつ』の卒業式が子どもたちの手によって執

り行われました。約3年間、冒険はらっぱで活躍していた『たつ』ですが、大学卒業、就職を機にはらっぱも卒業するということで、この日

がプレイワーカーとして来てくれる最後の日でもありました。

とても多くの子が参加し、卒業式は大いに賑わっていました。たつへの質問コーナーやプレゼント・卒業証書の授与、はらっぱの卒業式に

 うってつけな鬼ごっこ大会などなど、様々な催しを行い、『プレイワーカー・たつ』との最後の時間を子どもたちは楽しんでいました。す

 ごく充実した卒業式ですが、実はこの式、事前に打ち合わせすることなく行われたものでした。卒業式の内容や流れから、ステージのか

ざりつけまで、ほぼ全てを当日来た子たちがその場で考え、決定し、実行していったのです。

 

いままでも子どもたちの発想や行動力、子どもたちが持っている力にはたくさん驚かされ、感動させられていましたが、

 またしてもこちらの予想を大きく上回るほどの力を見せてくれました。司会の役を買って出てくれて、上手にその場を回す小学生の子たち。

 しっかりとたつの気持ちを考え、喜んでくれるように準備を進めていた、たつに肩車をしてもらうことが大好きだった男の子。

たつへのプレゼントを事前に母と買いに行っていた子。などなど、それぞれの子が様々な想いを抱き、卒業式を成功させようと、よろ

こんでもらおうと行動した結果が、今回の大成功に繋がったのだと思います。一人でできることに限りはありますが、その想いや力を集めら

れれば、とんでもないことを成し遂げられるのだと、改めて感じさせてもらいました。また、それと同時に、これほどまでにたくさんの子

 から愛され、信頼されているたつの偉大さ、3年にわたる子どもたちとの関わりの積み重ねに尊敬の念を抱きました。私自身は、昨年か

 らの1年間しか一緒に活動することができなかったのですが、いつも笑顔で丁寧に子どもたちと関わるその姿に、同年代男子としてとて

 も刺激を受け、見習っていこうと陰ながらお手本としていました。

 

 

 よく晴れた空の下で大成功を収めたそんな卒業式の裏で、とある小学生男子の成長を感じる場面があったのでここで紹介させてください。

 ローソンに買い物行こう!と、ほぼ毎週日曜のお昼休みにプレイワーカーに声をかけてくれるその子は、日常の遊びの中で○○大会を企画

 してくれます。「みんなに喜んでほしいから」という理由で、鬼ごっこやバスケットボールの大会を開いてくれるのですが、どこか自信が無

 く、参加者を集めたり、ルールの説明をしたりといった人前に立つことはプレイワーカーに任せるのが常である印象でした。景品として

お菓子を用意したり、チラシを工夫してみたりとみんなを楽しませる素晴らしい発想を持っているだけに、企画の実行をプレイワーカーにお

願いしてやってもらうのはもったいないなと感じていました。

 

 いつか自信を持って行動することができるようになってほしいなと、考えていた昨年末から3ヵ月。卒業式の舞台上では、みんなの前でも

しっかりと発言し、他の子と共に式を進行しているその子の姿がありました。“誰かのためになりたい“と思えるその子が素晴らしいし、今後

 ますます成長していくその姿を見るのが楽しみだなと、式を眺めながらに思いました。

 

 すこし寂しい気持ちも募るこの季節ですが、終わりがあれば始まりもある、そう思って新たな出会いや成長を楽しみに過ごしていきたいです

 !

 

 

(プレイワーカー りゅう)