「テニポン」に似た「バッキュウ」誕生秘話

「テニポン」というものを知っていますか??

私がこれを知ったのは、大学時代。とある授業の中で知りました。

その授業では、「アルティメット」や「インディアカ」、「カバディ」などなど様々なことを体験しました。

 

その中でも、私の一番のお気に入りが「テニポン」でした。

「テニポン」は、本当に面白くて、私は毎週その時間がくるのを今か今かと待ち望んでいました。

 

そんな「テニポン」ですが、その授業を履修し終わってからは、全くその存在を見聞きしません。

あんなに楽しいのになぁ。またどこかで「テニポン」やりたいなぁ。

時々「テニポン」を思い出しては、私はそう願っていました。

 

 

そんな「テニポン」の弟みたいな存在と出逢ったのが、今年の1月。

その名を「バッキュウ」というスポーツは、突然誕生しました。

似て非なるものかもしれないけれど、「バッキュウ」に「テニポン」の面影を感じ、私は感動しました。

 

そんな「バッキュウ」を生み出したのは、はらっぱによく来る小学生のK君。

この子は、その場にあるものを使って新しいゲームやスポーツを考える天才です。

同級生の子からも「Kは、面白い遊び作るの得意だよな!」とのお墨付き。

 

とある日のK君、落ちていた2本のバットと1つのビニールボールで遊ぼうと考えている様子。

少々考えた後、1本のバットをプレイワーカーに渡すと、向かい合って立ち、それぞれが持つバットでボールを打ち合い始めました。

 

始めは、バトミントンのようにボールを地面に落とさないようにしながら打ち合っていました。

しかし、それはなかなか難しかったようで、ラリーが続きません。

そこで、またまた考えたK君は、地面に「日」のような線を書きました。

 

「テニスみたいに打ち合おう!」とのことで、書いた「日」をコートにして、

・ワンバウンドまでOK

・線の外に出たらアウト

などのルールも追加されていきました。

 

そうこうしてまた打ち合いが再開すると、ラリーは適度に続くし、程よいゲーム性があることでより楽しさが増し、最高のスポーツが完成していました。

 

周りで見ていた子たちも「俺もやりたい!」と参戦しだし、打球に回転をかける子やコートの隅を突くように打つ子も現れ、スポーツが発展していく瞬間をそこに見ました。

 

K君にこの出来上がったスポーツの名を聞いてみると、

「バットで卓球みたいなことをしてるから、バッキュウ!!」

 

こうして、はらっぱ発祥のスポーツ「バッキュウ」が誕生し、私は今、酷似した既存のスポーツ「テニポン」を思い出し、想いを馳せています。

 

 

「テニポン」にしろ「バッキュウ」にしろ、既存のものから新しい何かを生み出すことってめちゃくちゃ難しいと私は思っています。

固定観念(今回であればバット=野球)に引っ張られず、その場で瞬時に楽しいことを生み出せる子どもたち、すごいなぁ。

 

最近は、高校生が考案した「サッカーバレー」もよく行われています。(セパタクローに似ている!!)

これだけ頻繁に新しい競技が生み出されていると、近い将来、はらっぱ発の新しいスポーツが誕生するのではないかと、勝手にワクワクしています。

 

まだまだ寒い日が続きますので、身体を動かし、温めるために、老若男女問わず、はらっぱにスポーツをしに来てみてください!!

今のところ「テニポン」はありませんが、新たな遊びやスポーツが誕生しているかもしれません。

 

(プレイワーカー りゅう)