先月のブログで後半部分をとある子が書いてくれて、それが素敵すぎた故にグローブ作りの詳細を書けなかったので、今回はグローブ作成秘話を深掘りしていこうと思います。
ある日、よく遊びに来る中学生の子とキャッチボールをしていると、不意に切り上げて一言。
「キャッチャーミットを作りたい」
私がグローブを持ってなかったのを見かねてこのような思考になったのだとは思いますが、無ければ作ってしまえ!というその発想に驚愕しましたし、非常に興味をそそられました。
その一方で、心の奥の奥でほんのちょびっとだけ一瞬思ったしまった一つの疑惑。
「革でできているグローブをここにあるもので作ることができる??」
以前、はらっぱでビニール袋のグローブを作ろうとして、失敗したこともあったのでその記憶も相まって、そんな疑惑を抱いてしまいました。
経験で物事を捉えてやる前からできないと諦める、大人の悪い癖ですね。
そんな私の思いを知る由もない彼のまなざしは真剣そのもの。
何を使えばできるか、どう作ろうか考えた後、段ボールと軍手とガムテープで作り始めました。
段ボールにグローブの形を模した楕円を描くと、それを丁寧に切り取っていきます。
切り取ったその段ボールを三等分するように2回山折り。パカパカと閉じれるようにしてから、その折り目に合わせて裏側にガムテープで軍手を貼り付けていきます。
オリジナルのロゴを捕球面中央に印したら、段ボールグローブの完成です!!
実際に軍手に手を入れてグローブを使ってみると、確かに捕れるは捕れる。
けどなんかしっくりこない。
ということで改良が始まります。
何かをひらめいた彼は「フェルトある??」とフェルトを要求。
どう使うのか全く私には予想できませんでしたが、倉庫内を探して持っていくと、フェルトをくるくると巻いてフェルトの棒を作成。それを2本作り、それぞれを段ボールの上下にくっつけていきます。
すると、何ということでしょう!
上下のフェルトの間にボールが見事にフィットして、本物さながらの取り心地になったではありませんか!!
これには二人で「すげーーーーー!!!」と大喜び。
固めのボールでキャッチボールをしても、普通に捕球することができます。
その後も改良に改良を重ね、見た目も付け心地もまさしくグローブ!!というところまで作り上げていました。
段ボールとガムテープとフェルトでグローブって作れるのだなぁ。
思いついたものを、思いついたままに作り上げる、子どもたちの力。
周りの目ばかり気にして、したいことも存分にできない、私を含めた現代を生きる大人の大多数がどこかで落っことしてしまったであろうその力。
子どもたちには、どうか、その力を忘れずに大人になってもらいたい。
不安定な現代社会を羽ばたいていくうえで、絶対に必要な力だから。
子どもたちが持つその発想力と実行力で、いつかプレイパークの空を飛ぶ子も現れるかもなぁ。
子どもたちならきっと、空も飛べるはず。
(プレイワーカー りゅう)