それぞれの晴る

先月末に『それぞれの春を祝う会』というイベントを行いました。

昨年から始まったこのイベントは、卒業、進級、進学、入学、就職などそれぞれが過ごす全ての春をお祝いしよう!といった感じで誕生しました。

 

めちゃくちゃ個人的な話ですが、私は昨年このイベントが開催されるまでは、どちらかというと「春」は苦手だし、嫌いなものでした。

 

だって、なにかと緊張するじゃん!!!

 

夏、秋、冬には無い緊張感が、春には漂っています。

入学、進級、進学、就職のどの場面を切り取っても、絶対に緊張していたし、順番に自己紹介をしてくださいと言われた暁には、自分の番が終わるまでは全く気が抜けずに、なんて話そうか必死に考え、他の人の自己紹介なんて1ミリも聞けません。

 

仲が良い子と一緒のクラスになれるのか、嫌な担任の先生にならないか、進学先でうまく馴染めるか、仕事が上手くいかなかったらどうしよう。

春になり変化が生じるたびに、そんな不安が次から次へと雨雲のように心を覆いだします。

 

そんな不安感を抱いていたから、春には苦手意識がありました。

 

ですが、昨年の『それぞれの春を祝う会』でその印象がちょっぴり変わりました。

 

みんなで春をお祝いすることの楽しさ、お祝いできることの尊さ、そしてなにより子どもたちのこの一年での変化を目の当たりにできるのが嬉しかった。

今まで自信がなくて、なかなかステージ発表をできなかった子が、この会をきっかけに自信をつけて発表してくれるようになったのは、今でも忘れない大切な想い出です。

 

環境の『変化』が苦手で、嫌いだった春。

それを子どもたちの『変化』が覆してくれました。

 

そんな個人的な想いもあったそれぞれの春を祝う会。

 

当日行われたステージ発表では、ピアノ、ギターの演奏や、アカペラ、弾き語りの披露、工作した「鳥の巣」を見せてくれる子、スケボーの技に挑戦する子など、多様な発表がありました。

 

発表後には自然と拍手が生まれていたり、演奏やアカペラの際には手拍子をして、見ている人も盛り上がる様子があったりと、温かい世界がそこにはありました。

 

そして最後には、今年度から就職し、はらっぱから巣立つ子をみんなでお祝いするサプライズも行われていました。

 

その子は、はらっぱができた当初から定期的に遊びに来てくれていて、優しくて、頼りがいのあるみんなのお兄さんでした。

誰に対しても優しい彼だからこそ、いつも年下の子から慕われていましたし、お祝いの時も多くの子からの祝福を受けていました。

 

そんな彼が残した言葉

「自分の意思をこれからはみんなに引き継いでいってもらえたら。」

 

はらっぱのことを大切に想ってくれているからこそ紡ぎ出された一言であると思います。

なにより飛び立つ覚悟を決めた彼の表情が、晴れ晴れとしていてかっこよかった。

そして、それを受けた子どもたちも「はい!」と元気に返事をしながら聴いていて。

はらっぱは、これからも素敵な場であり続けるだろうなぁと、その瞬間、感じました。

 

 

みんなの春が、これからの旅路が、雲一つない「晴る」となることを心の底から願った、そんなイベントでした。

 

 

(プレーワーカー りゅう)